こんにちは、市川市の音楽教室、ギタリストの浅見出です。
マイルス・デイヴィスが好きです。中でもやはりいわゆるエレクトリック・マイルスが好きなのです。個人的にはイン・ア・サイレント・ウェイ、ジャック・ジョンソンが好き。
A Tribute to Jack Johnson
ジャック・ジョンソンと言うのは20世紀前半に活躍したボクシング・チャンピオンで、そのジャック・ジョンソンの伝記映画のサウンドトラックと言うのがこのアルバムのようですね。
世間的にはおそらくビッチェズ・ブリューと並んでジョン・マクラフリンの大活躍アルバムって評価なんじゃないかなぁ。確かにマクラフリンは素晴らしいです。
しかし個人的にはチック・コリアとハービー・ハンコックのキーボード、適度な音の密度、テオ・マセロの絶妙な編集こそがこのアルバムの好きなところです。そして何気にスティーブ・グロスマンが良い仕事してる。
オン・ザ・コーナーやビッチェズ・ブリューなんかも大好きなアルバムなんですけど、聴くにはこちらも相当なパワーがいると言うか物凄い音の密度、情報量なんですよね。でもイン・ア・サイレント・ウェイやジャック・ジョンソンはまず音数自体がそこまで多くないし、効果的な落ち着いたセクションがあるので楽曲としてのバランスがとても良くて好きなのです。ジャック・ジョンソンの中にイン・ア・サイレント・ウェイの一部が編集で入り込んでいたりするのはどうみても賛否両論ありそうだけど、個人的にはアリで、この部分のおかげでアンサンブルや楽曲にメリハリが付いているように思うわけです。
その雰囲気の一端にチックとハービーがいるのは間違いなしです。お互いカラーは違えどスペイシーなサウンドをしっかり作っていて、リズム隊もビリー・コブハムなんかはいてもそこまで重量級になりきらないのが良いですね。
そしてもちろんマクラフリンが最高です。マクラフリンのギターって個人的に好き嫌いが分かれると言うか、アルバムによって好きだったりちょっと上手く入ってこなかったりするのですが、このアルバムのマクラフリンはもちろん好きです。それもマクラフリンのアプローチとスティーブ・グロスマンとのフレーズの対比がとても良いからお互いに引き立て合っているような気がします。
どこをどう、どれくらい編集されているのかまでは分かりませんが、とにかくエレクトリック・マイルスの中でも抜群にバランスが良いアルバム。マイルスのトランペットもとても力強いし良いですね。
もう15年近く聴いているけどいつまでも最高のジャック・ジョンソン。これからもずーっと聴いていくのです。