こんにちは、ギタリストの浅見出です。
少し前に我が家に届いたロベルト・フォンセカ(Roberto Fonseca)のアルバム「ABUC」が最近のヘビロテです。
これ、昨年2016年のアルバムみたいなのですが、今頃手に入れました。遅い。。けど、素晴らしいアルバム!
前作「Yo」があまりに素晴らし過ぎる、名盤過ぎる名盤なので期待も高まる反面根拠のない不安もあったりする今作でしたが、杞憂でした。やっぱりフォンセカはすごい!
今回はかなりトラディショナルな雰囲気が強くて、古き良きキューバ、って感じがするのですが、それは雰囲気だけ。よくよく聴いてみるとその中でやってる事は全然古き良きなんて事じゃなくて今の素晴らしさ。特に5曲目くらいから徐々にトラディショナルな皮から現代的なサウンドが覗きだして、気が付いたらもう最高に気持ち良いアルバムで、その上演奏内容も先進的で素晴らしいとキタ。ってな感じです。
トラディショナルな感じもブエナビスタ的と言うか、アフロキューバンオールスターズ的と言う雰囲気よりもワタクシ的にはカチャーオやカチャーオのデスカルガ作品的な、少し狂気じみた印象を受けたなぁ。ちゃんと整備されて練られたサウンドなんだけど、何か「深夜的」と言うかね。
思えば初めてキューバに行って、到着したその日の夜にJazz Cafeで観たのがフォンセカバンドでした。時差ボケで疲れた身体だったけどものすごい衝撃だったなぁ。お店自体は酔っ払いの観光客で溢れかえってゆっくりライブ聴けるような雰囲気じゃなかったけど、少なくてもその日の演奏は最高で衝撃的だったのを今でも鮮明に覚えています。そう、良く考えたら私のキューバでの体験はフォンセカからなんだよなぁ。なんて思い出しちゃうな。
はい。「深夜的」なんですよね。やはりクラブミュージック的なサウンドなんだと思います。ジャイルス・ピーターソンお気に入りなわけですね。でもキューバ音楽はやはりダンスミュージックだし、現代的に進化するならやはりクラブミュージック的と言うか、そこに進化するんだろうな。
色々なハーモニー、特にフォンセカの左手の凄さなんだけど、でも核はグルーヴする2小節単位のリズム、みたいなのが素晴らしい。この辺のセンスは本当に素晴らしい。
とにかく気持ち良いアルバムで何回でも聴いちゃう。